年間で投資できる上限を定めた上で配当や分配金、譲渡益などの運用益にかかる税金を一定期間ゼロにする仕組みであるNISA(ニーサ)制度。
iDeCo(イデコ)と並び、資産運用を始める人は利用必須と言われています。
以前からウワサはありましたが、2023年度の税制改正要望にNISA(ニーサ)の年間非課税投資枠の上限引き上げ措置を盛り込むことを金融庁が発表しました。
これは徳島という田舎でオンラインなどを通じて資産運用相談を受けているファイナンシャルプランナーにとっても見逃すことのできない出来事でした。
現在NISA(ニーサ)は、
一般NISA
つみたてNISA
ジュニアNISA
の3種類が存在していますが、それぞれ特徴や運用方法が変わってきます。
また、一般NISAは2024年から新NISAへ移行予定で、ジュニアNISAは2023年いっぱいで廃止予定となってます。
今後の流れとしては、月内に金融庁が財務省へ税制改正を要望し、与党の税制調査会の議論を経て年末に引き上げ幅などを決めるという感じです。
もちろん100%要望が通るわけではありませんが、過去の傾向や、6月に岸田首相が発表した『資産所得倍増プラン』の目玉の1つがNISA(ニーサ)の使い勝手向上であったことから考えると、満額回答は難しくともある程度要望が通る可能性は高いと思います。
今回は、その要望内容、現在のNISA(ニーサ)の状況と今後の展望(筆者の妄想込み)を伝えていきたいと思います。
先日書いた、関連ブログも一緒にご覧いただけると幸いです。
NISA変更要望の内容

金融庁は一般NISAや新NISA、つみたてNISAについて非課税で運用できる枠の拡大を財務省に要望します。その際、成長投資枠(仮称)というものを新設することにより拡大したい意向です。
しかもそれだけではなく、制度の恒久化(現在新NISAは2028年まで、つみたてNISAは2042年まで)や非課税保有期間の無期限化、つみたてNISA未成年への拡充も求めるそうです。

また、iDeCo(イデコ)との口座一元化やマイナポイントを付与する新サービスも同時に要望するようですがそれは実現に向けて高いハードルがありそうです。
金融庁からだけではなく、日本証券業協会からも7月に提言がありました。
その内容はNISA(ニーサ)制度が参考にしているイギリスのISA制度に合わせて、一般NISAの非課税投資枠を120万円→240万円に、つみたてNISAの非課税投資枠を40万円→60万円に拡大した上で、併用できるようにするというもの。
つまり年間合計で300万円の非課税枠を使えるようにするということです。
こうなればかなりのインパクトがありそうですが、こちらも現実的には難しそうな気がしています。
NISAの状況

改正の議論が活発なNISA(ニーサ)制度ですが現状はどのような状況なんでしょうか?
一般NISA、つみたてNISAの口座数を合計すると、その数は順調に伸びており、現在1,700万口座程度になっています。
18歳以上の方かつ、1人1口座しか開設できないことから考えると、約6人に1人がすでに口座開設を行っていることになります。

内訳をみていると、つみたてNISAの口座件数は20代を中心に順調に増えているものの、一般NISAの口座件数は減少傾向にあります。
これはいい事ではないかと個人的には思っています。
短期的な利益ではなく、長期的にコツコツと投資をすることにより将来の資産形成を行っていく土壌が出来つつある証拠だと思います。
しかしNISA利用率を見てみると、まだまだ低水準が続いているような状況です。
「よく聞くからとりあえず作ってみた。」という方が多いようです。
NISA今後の展望

NISA(ニーサ)制度が今後どのように改正されていくのかは正直わかりませんが、この制度の良し悪しが日本に投資や資産運用の文化が根付くかどうかの分けれ目になってくると思っています。
例えば、40代のご夫婦がNISAで老後の資産準備をしたいと相談に来られたとしましょう。
そこで僕が、「この投資信託やETFを買いたいという希望の商品はありますか?」と質問します。
すると3人に1人くらいの方から、「NISAを買いたいんですけど・・・NISAって商品じゃないんですか?」という回答が返ってきます。
NISAはすでに6人に1人くらいの方が口座をつくられているというお話をしましたが、正直まだこんな感じです。
制度自体が少しややこしいので、勉強する気が起きないんだろうと思います。
非課税枠拡大や、非課税期間の延長、制度が恒久化されるなどが決まれば素晴らしいことですが、僕としては、それらよりも『誰にでも分かりやすいシンプルな制度にして欲しい。』と思っています。
難しい制度はいくらお得でも取っ付きにくいですし、続けていると不安になってきてしまいます。
シンプルな制度づくりは、日本の一番苦手なところだろうとは思いますが、せっかくいい制度なので、もっとシンプルに、もっと分かりやすくしていただきたいものです。
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