連日のように値上がりのニュースが報道されていますが、
日本だけではなく、世界的に物価はドンドン上がっています。
それを受け、日本の最低賃金が31円引き上げられ961円になりました。
これは前年比の上げ幅としては過去最大です。
伸び率も3.3%と大きく伸びています。
しかし、『だから安心』とは言い切れない時代になってきています。
物価上昇(インフレ)だけではなく、
・低金利の長期化
・終身雇用の崩壊
・長生きリスク
・莫大な国の借金
など難問が山積しています。
そのため『自分の未来は自分でつくる(守る)』という考えの方が増えてきており、資産運用や投資を始め出しています。
そういう方々はまだまだ少数派ですが、数年のうちにも「まだ資産運用してないの?」と言われる時代が来るだろうと思っています。
みなさんは、資産運用を始める方のほとんどが利用する制度があることをご存知ですか?
それは、『NISA(ニーサ)』と『iDeCo(イデコ)』です。
両方とも資産運用をするならば必ず使ったほうがいい制度なのですが、よくわからないという方もまだいらっしゃるかと思います。
そこで今回は『NISA』の仕組みと特徴・運用方法についてお話をさせていただきます。
NISAとは

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
NISAは、NISA口座(非課税口座)で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。
つまり税金がかからなくなるということです。
ということは、例えば100万円の利益(通常は約20万円の税金)が出ても、1000万の利益(通常は約200万円の税金)が出ても税金がかからないということ。
このNISAはイギリスのISA制度をモデルにした制度なんですが、使わないのはもったいない制度ですし、
僕のようなファイナンシャルプランナーとしても、オンラインや対面で投資や資産運用の相談を受けた場合、まず最初にオススメをする制度です。
ですが、NISAには種類が3つ(一般・つみたて・ジュニア)ありますし、注意点もいくつかありますのでご注意ください。
代表的なものを以下に記載いたします。
・1人につき1金融機関でしか利用できない。
・NISAは3種類あるが、どれか1つを選択する必要がある。(併用不可)
・使わなかった投資枠は消滅する。(翌年への持ち越し不可)
・売却しても投資枠は復活しない。(投資枠の再利用不可)
・損失が出た場合、損益通算や繰り越しができない。(損益通算不可、損失の繰り越し不可)
これらの点にだけ気を付ければすごく良い制度です。
是非うまく使いこなしてください。
NISAの種類とそれぞれの特徴

一般NISA
こちらは18歳以上の方が選択できる制度です。
一般NISAの最大の特徴は、対象となる金融商品の種類が多い事。
つみたてNISAでは対象外の株式が対象であるためこちらを選ばれる方も多くいらっしゃいます。
しかし、選択肢が多くあることで、初心者の方は「何を選べばいいかわからない。」という悩みに陥ることがよくあります。

それ以外の特徴としては、非課税期間は5年と比較的短いものの、ロールオーバーという制度があり延長することが可能です。
また、年間の投資枠が120万円と大きいため、株式などで運用する場合は短期間で大きな利益を上げることも可能ですし、以外と知らない方も多いですが、一括投資だけではなく、つみたて投資をすることも可能です。
以上の特徴から以下のような方はこちらの一般NISAが向いていると思われます。
・株式やアクティブファンドでの運用を考えている。
・ある程度の投資経験がある。
・まとまった運用資金が確保できる。
・資産運用に長い時間をかけられない。
・株式の配当金や投資信託の分配金を狙いたい。
株式を購入される方にはご注意いただきたいことがあります。
配当金を非課税、税金がかからないようにするためには、配当金受取方式を『株式数比例配分方式』にする必要があります。
抜けがちなところですが、損をしてしまう可能性がありますのでご注意ください。
また、一般NISAは2024年から新制度へ移行になり、ルール変更が行われます。

つみたてNISA
こちらも一般NISA同様18歳以上が利用できる制度です。
名前のとおりつみたて投資にしか対応していませんが、最大の特徴は20年間の長期に渡り非課税にて運用できる点。
運用期間が長くなればなるほど福利効果が生まれやすくなり、大きな成果を生み出すことが可能になります。
また、対象商品についても金融庁が『長期投資向きの商品』を厳選してくれているため、対象商品数自体が少なく、初心者の方でも選びやすくなっています。
以上の特徴から以下のような方はこちらのつみたてNISAが向いているかもしれません。
・投資初心者の方。
・少額からコツコツと投資を始めたい方。
・比較的若い方など長期間投資を続けられる方。
私はよくこのつみたてNISAのことを「つみたて投資のオールラウンダーです。」とお話しています。
つみたて投資をされている方で、このつみたてNISAが合わない方は1人もいないと断言してもいいと思います。
このつみたてNISAに関して一番多い質問は、「どんな商品をつみたてしたらいいですか?」というものです。
色々なご意見があるかとは思いますが、私は「全世界株式に投資しているインデックスファンドで、できるだけ管理費用の低いものがいいです。」とお話しています。
また、岸田首相が打ち出した、『資産所得倍増プラン』の一環で、制度の恒久化が検討されています。
現在は投資可能期間が2042年までとなっていますが、恒久化になればさらに魅力的な制度になるでしょう。
関連ブログ『岸田政権が掲げる「資産所得倍増プラン」で変わる大きな流れ』はこちら

ジュニアNISA
こちらはその名のとおり17歳以下の子どもが利用できる制度です。
残念ながら来年2023年いっぱいで口座開設と新規買付の終了が決まってしまったので、最大でも今年と来年の2年間×年間80万円の合計160万円が投資可能枠となりますが、一般NISAと同じようにロールオーバーすることで成人するまで非課税で保有を続けることが可能です。
また、対象となる金融商品も一般NISAと同じになっています。
元々は、18歳までは運用資金を引き出すことができない制度であったためあまり人気のある制度ではなかったのですが、制度の廃止が決まったことにより、条件付きですが、18歳になる前に引き出すことが可能になりました。
幸か不幸かそのせいで現在は非常に人気の制度となっています。
もうそんなに時間はありませんが、子どもの教育資金や将来のお金を準備するには非常に勝手の良い制度です。
ご興味のある方は是非一度ご検討ください。
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