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なぜ130円に!?生活への影響と今後の見通し

なぜ130円に!?生活への影響と今後の見通し

大きな話題になっているのでご存知の方も多いかとは思いますが、
円ドル為替が1ドル=130円を超えてきました。

ブログを書いている今(2022年4月30日午後7時頃)は129円台で推移していますが、
130円を超えるのは実に20年ぶりの出来事。

今年は『〇〇年ぶり!!』なんていう出来事が目白押しで、感覚がマヒしてしまいますが、
これは日本にとって大問題!!ネガティブサプライズに他なりません。

ですが実はこの出来事、

先週24日のセミナーの中で予言していたんです。
しかも日にちもほぼ一致しています。

ではなぜ僕が予言することができたのか?
それにはそれなりの理由があったからなんです。

今回のブログでは、

①なぜ130円台になってしまったのか?
②これが僕たちの生活にどういう影響を与えるのか?
③今後どうなっていくのか?

をお話していきたいと思います。

投資だけでなく、生活していく上にもすごく役立つかと思いますので、是非最後までご覧ください。

なぜ130円台まで円安が進んでしまったのか?

実は3月ごろから少しずつ円安は進んできていました。

3月1ヵ月で約115円だった為替は約122円へ。
約7円円安になっています。

そして4月に入ると、約122円だった為替が一時131円台へ。
約9円円安になってしまっています。

3月と4月2ヵ月合せると約16円の円安です。

為替が大きく動くことは良くありますが、こんなに急速に進むことはめったにありません。
僕の記憶の中では見当たらないですね。

ではなぜこんなに急速に円安が進んだのか?

それは、

①3月にアメリカがゼロ金利政策を解除し、政策金利を0.25%の利上げに踏み切ったから
②日本がアメリカとは正反対の金融政策を取ることが鮮明になったから

です。

アメリカの金融政策

アメリカは現在、8.5%という『第2次オイルショック』以来の物価上昇(インフレ)に苦しんでいます。

要因としては、

・コロナの落ち着きにより急速に景気が回復したこと
・世界的な物資不足
・ロシアへの制裁によるエネルギー価格、食料品価格の高騰

などが挙げられます。

もちろん物資の不足などが解消されれば何の問題もないのですが、ロシアへの制裁もまだまだ長引きそうですし、それは難しそうです。

ならばどうすればいいのか?

供給(物資の量)を増やせないならば、需要(欲しい人の数)を減らせばいいのです。

そうすれば、おのずと物価は下がり、インフレは収まります。

そのために有効なのが政策金利の引き上げです。
政策金利が引き上がれば、お金を借りたり、住宅ローンを組んだ時の支払い利息が増えます。
そして、銀行預金においておけば、付く利息の額は増えるんです。

ならば、無理して借りてまで住宅購入しようと思う人は減りますし、「銀行預金に置いておいた方が得だね。」思う人は増えます。
そうなると、需要(欲しい人の数)は減りますよね。

こういった効果を期待してアメリカは3月に0.25%の利上げをした訳です。

ですが、まだまだ効果は十分ではありません。
「来月5月にも0.5%の利上げ、再来月の6月にも0.5%の利上げが実施されるのでは?」なんていう話が出てきています。

もし0.5%の利上げが行われると2000年5月以来。
そして6月にも0.5%の利上げが行われると、0.5%連続の利上げは史上初となります。

一部では、
「0.75%の利上げもあるのでは?」なんて話もありますがこれは非現実的だと思います。

日本の金融政策

一方日本の金融政策はどうでしょうか?

日本は、4月に入ってから『指値オペ』というものを開始しています。

指値オペとは、
『日本銀行が、決まった金利で決まった年限の国債を無限に買い取ること。』を言います。

少し難しいのですが、今回日本銀行は、10年満期の日本国国債を0.25%で無限に買い取る指値オペを実施しています。
仕組みをお話していると難しくなるので省きますが、これをすれば、実質的に『日本の10年国債は0.25%以上の金利が付かない』んです。

しかも先日の日銀金融政策決定会合後の日本銀行黒田総裁定例記者会見にて、

「金融緩和を継続し、指値オペを毎日実施する。」
「急激な変動は良くないが、基本的に円安は日本経済にプラス。」

との発言をしています。

130円になった理由

①アメリカの金利はドンドン上がる
②日本の金利は0.25%以上にならない

としたら皆さんはどちらの国にお金を預けたいですか?
もちろん金利の高いほうがいいですよね?
当たり前の話です。

ですから、皆さん円を売って、ドルを買い、ドルでお金を預けているんです。

円を売れば、円は安くなり。
ドルを買えば、ドルは高くなります。

その結果、130円台まで急激に円安ドル高が進んだんです。

円安が生活に与える影響

インフレ
日本銀行の黒田総裁は、
「円安は基本的には日本経済にとってプラス。」なんていう発言をしていますが、本当にそうでしょうか?
少し考えてみましょう。

【円安になって得になること】
・外国人が日本に旅行で来やすくなる
・輸出で儲けやすくなる

【円安になって損をすること】
・日本人が海外旅行に行きにくくなる
・輸入するものが高くなる

コロナ前でしたら、インバウンド(外国人旅行客)も多かったですし、自動車などの輸出も好調でした。

ですが今はどうでしょう?
コロナを受け、水際対策強化により外国人旅行客は激減。(特に中国人旅行客はしばらく無理そう。)
その上、部品不足で自動車などの製品の輸出も思ったように増えていません。

逆に、エネルギーや食糧の自給率が壊滅的に低い日本にとって、それらは輸入に頼らざる得ない状況に変わりありません。
なのに、ロシアのウクライナ侵略などにより、ガソリンや小麦の価格は大暴騰。

そこに円安が乗っかってきたらどうなりますか?
もっと値段は上がってしまいます。

少し考えればわかることです。
コロナで苦しむ現在の日本にとって円安は、

「百害あって一利なし」です。
今後まだまだ生活必需品の値段は上がる、そしてお勤め先の業績が悪くなり、給料が下がるリスクもあると考えておいたほうがいいと思います。

ただ、投資をしている方にはメリットもあります。

外国のものに投資していれば、円安で評価額は増えますし、
日本株などに投資をしていても、円安になればドルベースでの株価は安くなり、外国人投資家の買いを呼び込むことができるからです。

円安は今後どうなる?

立ち入り禁止
一部の専門家やアナリストと呼ばれる方には、

「135円にはなる。」
「140円の可能性も?!」

なんて発言をされる方もいらっしゃいます。

ですが、僕は、

『130円は一瞬で、円高に進み、年内は120~125円で安定する。』と考えています。

その理由は以下の4つです。

①過去に記憶にないほどのペースで円安が進んでおり、行き過ぎだと思っている
②リスクオフでドルが買われているのならば、ドルで取引されており安全資産の金がもっと上がらないとおかしいのにそれほど高くない
③代替資産とされる暗号資産のビットコインが思ったより強く、基軸通貨であるドル一局集中がこれ以上進みそうな気配がない
④アメリカドルも盤石ではない

④について詳しく説明すると、
アメリカは政策金利の引き上げにより『名目金利』は上昇していくものの、物価の高止まりにより、『実質金利』は高くないということです。

『実質金利』とは、『名目金利』から『物価上昇』を引いたもの。

例えば、5月・6月と0.5%ずつアメリカの金利が上がれば、『名目金利』は1.5%程度になります。
ですが、アメリカは今『物価上昇』が8.5%となっているので、6月まで物価上昇が変わらないと仮定すると、
『実質金利』=1.5%-8.5%=-7%となります。
ようするにドルでおいておくと実質価値が年間7%ずつ減っていく計算になります。

日本とアメリカでは計算方法が違うので一概に比較はできないかと思いますが、現在の日本の『実質金利』は-2.1%。
日本円でおいていても年間2.1%ずつは減っていくのですが、アメリカの-7%と比べればマシですよね。

もちろん物価上昇が収まれば話は別ですが、ロシアへの制裁が長引きそうなことなどから考えれば、そう簡単に収まりそうにありません。

以上のような理由から、日本円が見直され、年内は円高に進むと考えています。
ですが、長期でみれば円安になるとは思っています。

賛否両論あるかとは思いますが、参考にしていただけると幸いです。



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